自宅でインターネットを利用したいなと思い、スマホで調べたり家電量販店で話を聞いたりすると度々「プロバイダ」という言葉を見聞きすることがあると思います。
ただ「インターネット」と「プロバイダ」が密接な関係にありそうだ、というのは何となくわかっていても「インターネットを使うためにプロバイダが果たす役割」まできちんと理解している人は意外と少ないと思います。
本記事ではなぜプロバイダが必要なのか、どういった役割を果たしているのか、そういった点を詳しく解説していきます。
是非参考にしてみてください!
プロバイダとは

プロバイダとはインターネットサービスプロバイダ(Internet Service Provider)の略で、インターネット利用者と回線業者の橋渡しをする役割を担っています。
プロバイダが必要な理由
インターネットを利用するためには「回線業者」と契約をする必要がありますが、回線業者とだけ契約をしても全世界につながるインターネットに接続することは出来ません。
回線業者が提供可能なネットワークは同一都道府県内に限られているからです。
全世界を結ぶ”インターネット”にアクセスするためには「プロバイダ」のネットワークに接続する必要があります。
プロバイダはまさしくインターネットの入り口としての役割を果たしているわけです。
ではなぜ回線業者とプロバイダはあえて別々の会社と契約をする仕組みになっているのでしょうか?
回線業者がプロバイダの業務も行えば契約するのが1社になるから利用者にとっては分かりやすいと思うかもしれませんが、これには理由があります。
簡単に言うと回線業者であるNTTの活動内容が法律で決められているからです。
1984年に制定された「日本電信電話株式会社等に関する法律」(いわゆるNTT法)によって、NTT東西が行なえるのはあくまでも利用者とプロバイダを橋渡しするホールセール(卸売り)サービスだけにとどまり、実際にインターネットに接続するところは別会社が行う方針になったのです。
NTTは元々民営化をする前から国内すべての回線を保有していたわけですから、これにプロバイダ業務まで加わればインターネット回線の契約はすべてNTTの独占状態になってしまいます。
というわけでNTTはあくまでもインフラとしての回線業者の役割にとどまり、実際に利用者がインターネットに接続するプロバイダに関してはNTT以外の会社から利用者が自由に選択できる方式をとっているのです。
(厳密に言えばNTT法で「NTTがプロバイダ業務をやるな」と明記されているわけではありません。しかしNTT東西がプロバイダ業務も一緒に行おうとしても独占禁止法に抵触するので難しいでしょう。
OCNやplalaといったNTTのグループ会社にプロバイダ業務を行わせているのはその為です。)
- 回線業者が提供できるネットワークは同一都道府県内に限られている
- 全世界に繋がるインターネットの入り口としてプロバイダが必要
- 回線業者がプロバイダ業務も一緒に行うと独占禁止法に抵触するので色々なプロバイダ会社が選択できる
プロバイダの役割

プロバイダは様々なサービスを提供していますが最も重要な役割が「インターネット上の住所」としての役割です。
プロバイダと契約をしてインターネットに接続する場合、利用者は必ずプロバイダからIPアドレスが割り振られます。
このIPアドレスによってプロバイダは誰がどこからインターネットを接続しているかを管理しています。
管理というと監視されているようなイメージを持ってしまいそうですが、例えばインターネット上で詐欺にあったり掲示板やSNS等で誹謗中傷をされて法的手続きを取りたい場合、プロバイダに必要な手続きをとることで加害者の情報開示をしてもらうことが出来ます。
これはまさにIPアドレスにより個人が管理されているからこそ出来ることです。
- プロバイダはインターネット上の住所としての役割がある
プロバイダのサービス

プロバイダはインターネット上の住所としての役割があると説明しましたが、それ以外にも各社多様なサービスを提供しています。
無料でメールアドレスやホームページが持てたり、インターネット接続に関する疑問があればリモートサポートや出張サポートも受けられます。
そして無料で持てるメールアドレスの数やホームページの容量、サポートにかかる料金などがプロバイダによって差が出てきます。
- 無料メールアドレス
- 無料ホームページ
- 総合セキュリティサービス
- リモートサポート
- 出張サポート
プロバイダの選び方

日本にはたくさんのプロバイダが存在します。
OCN、So-net、BIGLOBE、@niftyなどなど・・・。
これだけたくさんある中で、一体どのような基準でプロバイダを選べばいいのでしょうか。
ひと昔前までプロバイダを選ぶのは容易ではありませんでした。
なぜならどこを選んでも大して差がなかったからです。
確かに無料でもらえるメールアドレス数や違約金の額、サポートの質などプロバイダによって差が出る部分ではあります。
しかし、それよりも利用者が最も気になるであろう「料金」や「速度」といった要素はそこまで大きな差はありませんでした。
関連記事:プロバイダ一覧まとめ!ISP全26社の料金・特徴を比較紹介!
料金
ただし、ここ最近はどこのプロバイダもスマホとのセット割を提供するようになり、選ぶプロバイダによって大きく「料金」の差が出るようになりました。
プロバイダ料金を抑えたいという人は自分が使用しているスマホで割引が受けられるプロバイダかどうかという基準で探してみましょう。
速度
ちなみに料金と並んで皆さんが気にする要素の一つである「速度」ですが、原則としては同じ回線業者を使用しているプロバイダの場合は回線速度に差はありません。
しかし人によってはプロバイダを変えて速度が向上したなんて声を聞くこともあります。
つまり、速度に関しては良くも悪くも実際に自宅でネットに接続してみるまで分からないので「速度」を基準に探す必要はありません。
ネットでいくらネガティブな意見が書かれているプロバイダであっても自分の自宅の通信環境であれば速度が出るなんてケースはよくありますし、その逆も然りです。
- 自分が使ってるスマホとセットで料金が安くなるプロバイダを探す
- 同じ回線業者なら基本的にどのプロバイダでも速度は変わらない
まとめ

以上が、インターネットに接続するためにプロバイダが必要な理由・果たしている役割です。
ネット回線の選び方について以下の記事で紹介しているので、あわせて参考にしみてください。
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